以前、学童保育で起こった出来事です。

始めは皆と交代で楽しく遊んでいたのに、その内に順番が守れなくなった男の子が「代わりたくない」と言い出して、皆がやりたい遊びだったために待たされた女の子が涙ぐむ場面がありました。

それを見た周りの子が、その男の子を責め始めました。
すると、今度はその男の子が大泣きしてしまったのです。

やりたいことを少しがまんし、交代することができるから皆と楽しく遊べるのですね。一人ではできない遊びですから、がまんが利かなかったら皆と楽しく遊べなくなってしまいます。
そのことを子どもたちが体験として学んだ瞬間でした。


この「集団遊び」が「がまん」を育てるのです。
鬼ごっこやおままごとでも、決して自分のやりたいこと(役)だけではありません。
「鬼はイヤだ。ほかの遊びがしたい」と我がままを言ったり、勝手に遊びから抜けたら、ルールも何もありません。遊びはルールに従って遊ばなければ、皆が楽しめないのです。

以前にもトランプや人生ゲームで負けたと悔し泣きをする子がいましたが、これもいい経験です。
悔しい思いは、一人遊びではなかなか味わえないからです。
それに、ケンカをしても仲直りするという繰り返しで、人間関係やコミュニケーションを体験から学ぶことが出来ます。

こうして見ていくと、集団での遊びそのものが、「がまん」を育てることになるということがわかりますね。また様々な異年齢の子どもの集団では、大きい子が小さい子を思いやる場面にも度々遭遇します。大きい子は自分がゆずらなければならないこともあります。小さい子は大きい子の言うことを聞いて、我慢しなければ遊んでもらえないこともあります。そうやって、昔から子どもは遊びの中で「がまん」しながら育ってきたのです。

今の子どもたちは、遊びが変わりました。
集団で遊ぶことよりも、ゲームや一人遊びが増えました。
しかし、一人遊びはがまんがいらないために、がまんすることを覚えられず、また人間関係やコミュニケーション力が育たなかった結果、成長して集団の中で生活をしたときに、他人とうまくいかないといったことが起こってくるのかもしれません。

保育と聞くと、まだまだ「小さい頃から預けられて可哀そう」という声が聞かれます。
しかし、本当に可哀そうなのは、一人遊びをずっとしなければならない子どもの方です。
思いっきり友達と遊んだ経験が、大人になってからも宝物になるのだと思います。

大泣きしていた男の子ですが、しばらくすると立ち直ってまた続きの遊びをやっていましたよ。こうやって立ち直り術も身につけていくんですね。

できるだけ、子どもは子どもの中で伸び伸び育てましょう。
そして、子どもたちには友達と遊んだ楽しい思い出をたくさんつくって、たくましく成長してほしいなと思います。

ダメだとわかっていても、やめられない心理

百里を行く者は、九十をもって半ばとすべし