以前、小学4年生のお母さんからこんな相談をされました。
「うちの子って素直に親の言うことをきくので、中学になったら反抗するんじゃないかと思うと、がまんさせるのもいけないんじゃないかって思って…」とのことでした。

『いい子のツケ』という言葉が随分前から言われていますね。
一見いい子に見えても、大きくなって不登校になったり、非行に走ったりする子のことです。そのような子になるのではないかと心配されているのです。(そうなった時はなった時、と思っている私ですが…)

私が、「親の言うことをきくのはいいことじゃないですか?うちの子は言うことをきいてくれますよ。それも喜んで」と言いますと、「え?」というような顔をされていました。
まだ小さいから、男の子だから、一人っ子だからと言うことをきかない子を「子どもだから当たり前だ」と思っている風潮がありますね。それも事実ですが、程度問題です。言うことをきかせたいことが親の我ではなく、子どもに愛情を持って行うことならそれは必ず伝わり、親の言うことをきくものです。

経験の浅い先生や保育士の中には、
「○○ちゃんって、わがままも言わないでいい子過ぎるんじゃないですか?」
と保護者に言われる人もいるようですが…。
最近は、いい子のイメージがあまりよくないためのものなのでしょう。
確かに、小さい頃から言いたいこと、やりたいことをがまんして、思春期になって反抗する子や不登校になる子もいますが、言うことを聞かせることと、無理やりがまんさせることは違います。その子を見て、無理して言うことをきいているのでなければ、問題はないのだと思います。

そもそも、冒頭のお母さんの悩み自体が、いいお母さんだという証拠なのではないでしょうか?本当に親の都合で子どもに我慢させていることが問題なら、そういう人は悩み相談に来ることは少ないかもしれませんね。


こんなとき、あなたならどうしますか?

・病院の待合室で「お菓子食べたーい。ジュース飲みたーい」とだだをこねる
・レストランで走り回る
・買い物に連れていくと、お菓子を買ってくれと泣いてわめく
・電車の中で靴を履いたままで座席に上がる

親の言うことをきかせるということは、社会のルールを教えることであり、大人をバカにしないことを教えることなのだと思います。親が子どもの言いなり、機嫌取りをしていたら、子どもは益々言うことをきかない子になるのではないでしょうか?


私は結婚して間もない頃、違和感のある子育てを見ました。
それは、主人の上司のお家に食事に呼ばれて行った時のことです。
部屋に入るなり、びっくりしました。部屋の壁中、クレヨンの落書きだらけなのです。
ガラスも、鏡も、テレビもクレヨンで塗りつぶされていて、それは異様な光景でした。
3歳の一人っ子の娘さんは、お客さんが来ていても平気で走り回り、「ダメだよ」とお父さんが言い聞かせても言うことをききません。御両親とも「子どもだから、仕方ないよ」というのです。

私は内心、「それは違う」と思いました。躾の問題もありますが、親の言うことを聞かせることをしなければ、この先、この子はいったいどうなっていくのだろう?と思ったものです。
案の定、わがままな子に育ってしまったようで、随分手こずっていることを後で聞きました。

親の言うことをきかせることは、子どもにとってとても大切なことです。
生活・学習の習慣付け、躾、挨拶、ルールなど、生きていくために必要なことがたくさんあります。それをキチンと教えていかなければ、困るのは子ども自身です。

「親の言うことをきかせることはいいこと?」そう思っている人がいたら、「親の言うことをきかない子になったらどうなる?」と考えてもらいたいです。

ただし、子どもが親の言うことをきくのは、信頼関係の上で成り立つものだと思います。
何事も親子の絆が基盤ですね。


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