皆さんは、レジリエンスをご存知でしょうか?

レジリエンス(rasilience)とは、
困難な状況であっても、柔軟に対応しそれを乗り越えていく力のことで、精神的回復力、抵抗力、復元力、耐久力などとも訳されています。いわゆる「折れない心」のことです。

実は今の教育・保育では、このレジリエンスを育むことが求められているんです。
乳幼児だけではありません。今、都内の私立高校でレジリエンス 逆境力 “折れない心”を育てる授業が行われているそうです。また、日本の企業でも独自のやり方でレジリエンス研修を行っている会社も出てきているようです。

ということは、現代人は、すぐに心が折れてしまう人が多いということでしょうか…。

この現代社会で生き抜いていくためには、やはり子ども時代に”心を育てる”ことが大切だということです。


レジリエンスという概念が注目され始めたのは1970年代。
きっかけの1つとなったのが、第2次世界大戦でホロコーストを経験した孤児たちの研究でした。
孤児たちのその後を調査すると、過去のトラウマや不安にさいなまれ生きる気力を持てない人たちがいる一方で、トラウマを乗り越え仕事に前向きに取り組み、幸せな家庭を築く人たちもいたのです。
同じ経験をしながら、その後の人生が大きく違うのはなぜか?
研究から、逆境を乗り越えた人たちには共通の傾向がある事が分かってきました。
NHKクローズアップ現代「“折れない心”の育て方 ~「レジリエンス」を知っていますか?」より~

レジリエンスには、心が折れないための4つの要素があります。
・感情のコントロール
・自尊感情
・自己効力感
・楽観性
・人間関係

このどれも、結局は「人間関係」に繋がっています。
・感情のコントロールは、ケンカをして悔しい思いや仲直りして嬉しい気持ちの感情体験が必要です。
・自尊感情は、アタッチメント(愛着)理論から成り立つものです。親子のふれあいや親しい大人とのしっかりとした愛着の形成が大切です。
・自己効力感とは、人が何らかの課題に直面した際、こうすればうまくいくはずだという期待(結果期待)に対して、自分はそれが実行できるという期待(効力期待)や自信のことを自己効力感といいます。つまり、「自分を信じて頑張れる気持ち」のことです。これも自尊感情があればこそです。
・楽観性とは、プラス思考のことで、物事を肯定的な方向に捉える考えを行う傾向のことです。 ポジティブシンキング(Positive Thinking)、積極思考ともいいます。

保育園という立場からレジリエンスを考えた時に、私が今までやってきた保育経験から言えることは、

・乳児期はアタッチメントの形成を重要視すること
・自然の中で伸び伸びと自分のやりたいことをやれる時間があること
・異年齢の中で、様々な年齢の人とのふれあいが多いこと
・乳幼児期に小さな成功体験をたくさん積ませること
・幼児期に小さな失敗や課題を乗り越える経験を積ませること
・心が解放できる時間をつくること

そのうえで、躾を教えることです。

心が育っていないうちには、いくら厳しくしたところで乗り越えることは困難になります。
人間の基礎となるものを、子どもの頃に身に付けておく必要があるのではないでしょうか。

なぜ教育するのかと言えば、その子が将来社会に出た時に自分の人生を自分の力でたくましく乗り越え、自分の夢や希望を達成するために必要な知恵や経験を持たせるためではないかと考えます。
それならば、大きな根っこのあるたくましい人間に育てておくことが大切ですね。
乳幼児期は人生のはじめのたかが数年間ですが、その子が生きる寿命の大部分の人生の基礎が集約されていると思えば大変貴重な時間です。

学力だけあってもダメな時代です。
知・徳・体のバランスのいい人間の育成が、レジリエンスを育てるということだと思います。

してあげたこと してもらったこと

自己研鑽