先日、大規模認可保育園で働いていた保育士の方が、ありんこ親子保育園ありんこの森保育園の子どもたちを見てビックリしたことがあったそうです。それは、ほとんどの保育園で見られる子どもの噛みつきがほとんどないことだそうです。
「こちらの園では、子どものストレスがないんですね」とのこと。

また、先週見学に来られた保護者の方も、子どもたちの表情の豊かさや自己表現できるところに驚かれていました。そして、「先生たちが疲れた顔をしていないので安心しました」とのことでした。

お二人とも、保育園の印象が変わったようでした。

冒頭の保育士の方がおっしゃったように、幼児の噛みつきに困っている園はたくさんあるようです。私も実際に現場を見たことがありますし、何人かの保育士さんや保護者さんの話もお聴きしたこともあります。

でも実は、ありんこの子ども達がストレスがないから噛みつきがないわけではないんですね。自我が芽生え始める1歳~2歳の時期の噛みつきは誰でも起こる可能性のあることです。愛情不足やストレスとは、直接関係あるわけでもなさそうです。

1歳~2歳になれば、「こうしたい」「あれが欲しい」「自分でやりたい」などの欲求が強くなってきます。その中で、例えば自分の欲しいおもちゃを他の子が使っていた時、お友だちに何かをわかってほしいと思った時などに、言葉の代わりにとっさに「噛みつき」という行動が出てしまうのです。おもちゃを貸してほしくても、その意思を表現できず、噛みつくことで意思表示をしてしまうことがあります。

または、言葉がうまく話せないので、あいさつのつもりで噛みつく。興奮してしまって、どうしたらいいかわからず噛みつく。お友達にじゃれるつもりで噛みつく。噛みつきの理由は必ずしも不満が原因でないこともあります。

人間の体は、「中心から外側」「上から下」に発達すると言われています。
1~2歳児の場合には、手以上に口が発達していることもあり、とっさの際に口が先に出てしまう傾向にあります。

確かに、ストレスが噛みつき行動を引き起こすことはありますが、愛情をしっかり注いでいても、上記でご紹介した理由から、噛みついてしまうことはあります。「噛みつく子」=困った子、保護者に問題があるのでは?とすぐに捉えず、その子が感情をうまく表現できるようになるまで、長い目で見守っていくことが大切です。

子どもには「噛みつくこと」=「悪いこと」という認識はありません。
そのためできるだけ目を離さずに見守り、噛みつきを未然に防ぐことが大切です。

□ 子ども同士の動きから目を離さないようにする
□ 複数担任の場合は互いに声を掛け合い、連携をとって見守る
□ 子どもが集まる場所にすぐに手を伸ばせる距離にいる
□ 子どもの密度が高くなり過ぎないよう小グループでの活動を心がける
□ 日々のプログラム変更を最小限にして混乱を防ぐ
□ 噛みつきが頻繁に見られる子どもの傍に常に保育者が付く
□ 噛みつきが多い場合は個別にスキンシップをはかり、情緒面のフォローを行う

噛んだ子への対処法は、
噛みつきは必要な言葉や行動がわからずに出てしまうことが多いので、その気持ちを代弁してあげることが大切です。
 
(例)△△くんはこのおもちゃで遊びたかったんだけど、うまく言えなかったんだね、でも噛まれたら痛いんだよ、〇〇ちゃん、イタイイタイって泣いてるよ。今度からは噛まないで「かして」って言おうね。

噛まれた子への対処法は、
傷あとが残らないように、患部の手当てを行いながら、噛まれた子の気持ちに寄り添い、同時に噛んだ子の気持ちを代弁するなどして、心のケアをしてあげることが大切です。
 
(例)噛まれて痛かったね、びっくりしたよね。〇〇くん、△△ちゃんと一緒に遊びたかったんだけど、上手に言えなくて間違えちゃったんだね。止められなくてごめんね。

傷あとが残りにくい応急処置の仕方は、
【応急処置】
噛み傷の多くは、内出血によるもの。傷付けられたばかりのときは、出血が続いていることが多いので、まずはタオルで巻いた氷嚢などでアイシングを行って内出血を抑えます。24時間~72時間はアイシング期間とされ、その後あざが広がっておらず、腫れが引いていれば温熱療法へ切り替えます。

【その後のケア】
内出血が止まったら、傷ついた細胞の回復を早めるため温熱療法を行うと良いでしょう。ホットタオルなどで患部周辺を温めると、血流が良くなり回復力が高まります。


噛まれた子の保護者への伝え方は、
傷あとの有無に関わらず、必ず噛みつきを防げなかったことをお詫びし、噛まれた時の状況を詳細に説明しましょう。また、応急処置などその後の保育者の対応についても、しっかり説明することで不信感の残らないようにしましょう。
 
(例)今日おもちゃで遊んでいた際に、お友だちに腕を噛まれてしましました。保育士が付いておりながら、防げずに大変申し訳ありません。すぐに冷却して応急処置をしておりますが、まだ噛み跡が残ってしまっております。お友だちには今度から言葉で伝えるよう伝えております。本当に申し訳ございませんでした。

子どもの噛みつき・・・どうすればいい?保育士さんが教えるプロの対処法より参考~


噛みつきは、どの園でも起きる可能性があります。
何も、ありんこ親子保育園の子ども達にストレスがないからではないのです。では、どうして噛みつきがないのか?というと、
それは、先生たちの目が行き届いているから、ということが言えるでしょう。
たとえ噛みつきが起こったとしても、子ども達にキチンとした対応をすることでそれ以上酷くならない様に防いでいることもあるのです。やはりこれは、職員教育がキチンとされているか?ということに繋がっていくようです。

それと、保育士さん自身にストレスがないか?疲れていないか?が大切です。ストレスがあって疲れていたら、余裕をもって子どもたちを見守ることは難しくなります。イライラしていたら、噛みついた子にきつく当たってしまうこともあるかもしれません。

保育はとても大変な仕事です。
毎日、子ども達を保育している保育士さんは、相当の緊張とストレスがあることでしょう。うまく仕事のコントロールをし、保育士さんたちが声を掛け合い協力し、お互いが思いやりのある保育をすることが大切です。

園の中の問題が、子ども達に出ているとすれば、改善されるべきは園長、主任、保育士である大人のほうかもしれませんね。

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