以前、40代男性の方とお話をした時のことです。

言葉は丁寧だし、人当たりもいい、誠実で真面目ないい人です。
それなのに、とても自己評価が低いのです。
1時間ほどの間に、「自分は大した人間ではない」というような言葉を頻繁に言うので気になりました。ご自分を客観視できないようで、悪いところばかりしか思いつかないようでした。

いいところを誉めても、
「いいえ、たまたまです」
「皆さん、そうされています」
「私はバカですから」など、こちらの言葉を受け取ってもらえません。

困ったな…。
と思いましたが、私の今の気持ちをそのまま言ったらいいのかな、と思い、
正直な気持ちを伝えてみました。

「もしも、あなたが誉める方の立場になったときのことを考えてみてください。後輩の頑張っているところやいいところを、本当にいいなと思って正直に誉めたとします。でも、後輩は『そんなことはないです。自分はバカですから』と言われたらどう思いますか?いいと思ったから素直に伝えたのに、気持ちを受け取ってもらえなかったら残念に思うのではないでしょうか。
形のあるプレゼントをもらったときは何と言いますか?『ありがとうございます。嬉しいです』と言いますよね。プレゼントした方も、喜んで受け取ってもらったことに嬉しく思うでしょう。言葉もそれと同じです。誉め言葉は、見えないプレゼントです。誉めてもらったのに『そんなことはない』と言ったら、そんなものいらないと拒否したのと同じです。そういう時は、『ありがとうございます。誉めていただいて嬉しいです』と言うと、誉めてくださった方に対しても失礼がありませんね」

と言いましたら、その方は目の輝きが変わって、
大きく紙に「ありがとうございます」と書かれました。

「わかりました。今度から誉められたときには『ありがとうございます』と言います。自分がどれだけ変われるか楽しみになってきました」とおっしゃってくださいました。
その表情は、話す前とまったく違っていて、自然で素敵な笑顔に変わっていました。

この方は、根は素直なのです。
だから、わかるのもはやいのだと思います。

それから、もう一つお伝えしたことがあります。
「自分はバカだと本気で思っていても、それを口には出さないようにしましょう。口に出せばそれを鵜呑みにする人もいるのです。あなたの言葉を鵜呑みにした人が、あなたを見下してしまったらどうですか?あなたの自尊心が傷ついてしまいます。わざわざ自分の価値を下げるような言葉をいうことはありません。自分を過大評価しなさいというのではなく、ただ自分の価値を下げる言葉は言わないようにすることです」
これは私からのお願いでした。
わざわざ自分の価値を下げる言葉は、言わなくてもいいのです。

誰でも、自分自身の考え方や言葉の癖はわからないものです。
会社ではその癖を指摘してくれる人はいません。
言えば角が立ちます。

カウンセラーやコーチなどに話をすることによって、自分自身を振り返り、自分の”思考の癖”がわかることもあります。
それが結局は自分の強みになって、より確かな仕事ができるようになるものです。

視点が増えれば、視野も広がります。
視点とは、周りの人から自分はどう見えているのかという相手の立場に立った視点や、過去・現在・未来の視点、物事の本質の視点などです。

自分も客観的にみることが必要ですね。
自分も他人も、同じ価値のある人間だということです。

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