時々、雑誌や本の出版社から取材を受けることがありますが、その時に必ず質問されるのが、「法人格にしようと思った理由を聞かせてください」というものです。

「子どもの居場所づくり」なら、ボランティアサークルでもいいのではないか?と思われる方もいらっしゃるようですが、私が法人を設立しようと思った一番の理由は、”責任の違い”からです。


12年前のお話です。
NPO法人の前身である子育てボランティアサークルを運営していたある日、野外活動で歩きながら自然観察をすることになりました。
子ども20人ほどが集まり、引率したのは私を含め、親子連れで参加していた3~4人の保護者でした。

幼稚園から小学校までの子どもたちが長い道のりを歩くので、道路や公園でも目が離せません。しかし、引率していた保護者はわが子しか見ていなかったのです。
それも、最後まで引率せず途中で「お先に失礼します」と帰って行かれました。
結局、最後に残った私が一人で子どもたちを見送った、ということがありました。

このようなことは幾度となくありました。
ボランティアだと思うと責任がないのです。
そう、お手伝い程度で終わってしまう…。

これでは、ケガや事故が起こった時に誰が責任をとるのだろうか…?
もちろん保険には加入していましたが、ボランティアでは保障が十分ではないことを実感していました。

法人を立ち上げる前に同志より、「法人は有限」と教わりました。
有限というのは有限責任のことで、もし会社が債務超過になった場合でも、社員は出資金が戻ってこなくなるだけで、それに加えて債務を支払う必要はないということを意味しています。つまり、社員の責任が、出資金の範囲に限定されていることになります。

これがもし無限だったら?
責任が無限に発生することになります。
考えるだけで恐ろしくなりました。

子どもを預かるということは、命を預かることです。
ボランティアではダメなのだと思いました。
これが、私が法人格にしようと思った一番の理由です。

法人格とは「法律に基づいて団体に与えられる法律上の人格」です。
法律に従い一定の手続きを経たものだけに法人格が認められます。 法人格を持っていない団体は、一般的に任意団体と呼ばれています。 任意団体は、実態は「団体」ですが、法人格がないために団体名で財産を所有できず、代表者個人名義で対応せざるを得ません。


法人を設立するのは大変ですが、責任という点から見ると安心なのです。
それに、そこでやっている人もボランティアの時とお給料をもらってやるのとでは、個人の責任感が違ってきます。法人にすることでそこで働く人たちにも責任感が生まれます。
任せても安心できる人が育ってくれることも法人にするメリットです。

働くことで給料をもらうのは、やりがいも感じられます。
そのお給料で生活も安定させることができるようになるでしょう。
社員の向上心や探究心は、生活に余裕があるからこそ生まれるものなのです。

法人を設立することは、そこにいる全員を守ることにもなるのです。

子どもを預ける側の保護者も、法人経営の方が安心ではないでしょうか。
個人でやっている預かり保育の場合、何かあった時に責任の所在を考えなければなりません。
預ける側もその点を理解して、お子さんを預けてほしいと思います。
これは保護者の責任ですね。

気持ちの切り替え方

今という時間を贅沢に使う