いつもポピー入学準備説明会で『9歳の壁』の話が話題になります。
小学校というと、1年生と6年生が重要学年に感じてしまいがちですが、
本当に重要な学年って3年生で、次が4年生なんですね。


子育てでも、「‘つ‘のつく年まで」といいます。
「ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ、いつつ、むっつ、ななつ、やっつ、ここのつ」までが子育てで大事な時期だと言われています。これは、生活面、学習面、躾など、全般に言えることかもしれません。

‘つ‘のつく時期は根っこの時期です。大木が大きな根っこを持っているのと同じように、子どもも将来立派な大人になるための大きな根っこを育てることが先決です。そのためにも、親子の関わり、お手伝い、体験遊び、創作遊び、集団遊び、異年齢のコミュニケーションなどの経験がとても大切なんですね。


特に学習面で『9歳の壁』と言われる所以は、低学年に比べて学習量が大幅に増えることに加えて、この時期の学習内容は高校受験まで繋がっている基礎学習内容で、中学まで影響するからです。しかし、教育現場では、『3年生はギャングエイジ』と言わていて、反抗、落着きがない、問題が多いなどで扱いにくい時期でもあります。
3~4年生は、学力2極化のボーダーラインだという人もいて、それも『壁』になっているのかもしれません。

環境や生活面が整っていなかったりして、学習する意欲、やる気、根気、集中力、話を聴く姿勢などが身につかなくなって、結果として学力低下などの学習障害になってしまっている子が時々いますね。

2年生までは、算数・国語・生活科だった教科が、3年生になると算数・国語・理科・社会の4教科になり内容が増えてきます。それまでに習った漢字を覚えていなければ、算数の文章問題、理科、社会も漢字で問題が書かれているため、漢字が読めなくて意味が解らないから解けない、というパターンになっている子も結構多いです。
以前、ある男の子に4年生の算数の直径を求める問題を教えていましたら、「半径が3㎝の円の直径は何cm?」ができなかったので、なぜできないのか?と観察していたら、「半径」「直径」が読めなかったという事実が判明したことがありました。「それは算数じゃないよ。国語だよ」と言った覚えがあります。それからその子は学習習慣を見直し、一生懸命に漢字の練習して、漢字テストで100点を取りました。すると、それと並行するように算数もできるようになってきました。自信もついてきて、落着きも出てきました。

この漢字を覚えること一つとっても、漢字を覚えたいという「意欲」、毎日コツコツと漢字の練習をするという「根気」が必要だということです。その結果、学習内容が習得できて学力向上へとなっていくのだと思います。


人は9歳までに脳の重要機関がほぼ出来上がり、12歳で思考能力が出来る自然なプログラムを持っていますが、そのプログラムに逆らって、幼少期に先行学習やパターン学習(計算問題ばかりなど)をさせると、考える力が育たず具象思考から抽象思考に変化してしまうそうです。(学習面はそれまでの遊びや体験・経験が影響します)
その結果、「9歳の壁」を乗り越えられなくなってしまうこともあります。

具体的には、暗記力と計算力で満点をとっていた子が高学年になると学力不振に陥る、という話もよく聞きます。それは考えない習慣をつけさせ、マニュアル人間を作り出すからだという指摘もありますね。これは知的早期教育への影響でしょうか。

小さい頃、プリント教育でたくさん計算問題ばかりさせられていると、高学年から伸びなくなるようです。それよりも私は、「生きるための力」が育たなくなることが心配です。


学力向上のために絶対的に必要なのは、『見えない学力』です。

『見えない学力』とは?
意欲・やる気・根気・好奇心・誠実さ・思いやり・理解力・応用力などのことです。この見えない学力が育つのは、幼児期から小学3年生までの遊びが発展する時期に育つと言われています。
これも‘つ‘のつく年までに、基礎となるほとんどのことが育つのですね。

『9歳の壁』を乗り越えるためにも、親子の会話、異年齢の遊びや関わり、お手伝い、1年生になったら学習の習慣づけ、自分で考えて行動することなどをバランスよく取り入れて、子育てをしていきましょう。

高学歴が結果になる時代ではありませんが、本人が将来なりたい人、叶えたい夢を実現させられるために、学力は必要になっていくのだと思います。それと同時に生きる力を身につけて、自分の人生を切り開いていける人材を育てることが、今の時代に必要な子育てではないかと思っています。学習の習慣づけは、心と頭を鍛えるための訓練だと思います。

☆ありんこ発表会☆

たまごやき