企業は何のために存在するのか?

企業が、‘経営理念‘を持つことの重要性について、
松下幸之助は、その著書『実践経営哲学』の冒頭の章で次のように記しています。

「私は60年にわたって事業経営にたずさわってきた。そして、その体験を通じて感じるのは経営理念というものの大切さである。いいかえれば、‘この会社は何のために存在しているのか。この経営をどういう目的で、またどのようなやり方で行ってい行くのか‘という点について、しっかりとした基本の考え方を持つということである。
事業経営においては、たとえば技術力も大事、販売力も大事、資金力も大事、また人も大事といったとうに大切なものは個々にはいろいろあるが、一番根本になるのは、正しい経営理念である。それが根底にあってこそ、人も技術も資金もはじめて真に生かされてくるし、また一面それらはそうした正しい経営理念のあるところから生まれてきやすいともいえる。だから経営の健全な発展を生むためには、まずこの経営理念を持つということから始めなくてはならない。そういうことを私は自分の60年の体験を通じて、身をもって実感しているのである」

それは、幸之助(当時は松下電器製作所・店主)が大正7年(1918年)3月、ささやかな個人企業から出発し、創業時代の幾多の試練を乗り越え、従業員約300人、ようやく製品分野も広がり、取引先も増えて、販売月額10万円を超えるころになった頃のことです。

幸之助は、
「従来、自己の販売と考えていたものが自己の販売ではなくなる、代理店のための松下電器、業界の松下電器である、松下電器は人様の預かり物である、忠実に経営し、その責任を果たさなければならない、というような考え方が真面目に考えだされてくる。私的から公的へ・・・そこに絶対の強さが生まれてくる」
と意識したことを、当時の心境として自叙伝『私の生き方考え方』で述べています。

~松下幸之助とともに50年 経営の心より~

昭和3~4年(1928~29年)日本は経済不況下にありましたが、幸之助は「大衆の生活に必要なものは、景気、不景気に関係なく伸びる」という信念のもとに銀行から15万円の無担保融資を受け、昭和3年11月から大開町(大阪)に、月産10万個の能力を持つ電池ランプの新工場と第二次本店の建設を始めていました。

その後、松下電器から現在のパナソニックに発展するまで、松下幸之助の経営理念は今でも生きているのでしょう。松下幸之助の熱い使命感と長年の事業活動と通じて培われた洞察力があった方こそ、経営理念が宣明されたのだと思います。

松下理念に、経営のヒントがあると感じました。

広く、深く、速く

環境整備第一