ある幼稚園児のTくん(年中さん)のお話です。

Tくんはお家でも幼稚園でもいい子で、よく先生のお手伝いやゴミ拾いなどをしてくれるそうです。でも、担任の先生はTくんのやり方がとても気になっています。先生が見ているのを確認してゴミ拾いをしたり、お手伝いをするのです。
そして、やった後に必ず先生のところへきて、「せんせい、ぼくえらい?」と聞くそうです。しかも頻繁にやるので、担任の先生からみたらとても気になる子なのだそうです。

時々、小学生でもこのような子を見かけます。
お母さんや先生の前ではとてもいい子で、よく気がつき、素直そうで聞き分けがいい。でも、お友達の前ではびっくりするくらい、全く違った顔を見せるのです。

そういう子の親御さんやおばあちゃんたちをみていると、よく子どもを誉めています。キチンと叱ってあげなければならない場面でも、「あなたはいい子なんだから」と言っているのです。
いい子でなければ認められない「条件付きプラスストローク」を常にもらっているのかもしれません。

条件付きストロークとは?

私たちが生きていくうえで、人からのストローク(言葉や身振りで相手に働きかけるコミュニケーション)は欠かせないものです。それがほしくて生きているようなものだと言われます。ストロークの反対は「無視されること」です。無視されることが一番つらいのです。「無視されるくらいならマイナスのストロークの方がまし」と思ってしまうのが怖いのです。

実は、私たちが最も安心するのは「無条件のプラスストローク」(ありのままの自分でOK)を得た時です。その反対に「条件付きプラスストローク」(ありのままの自分はNG)というものがあります。
この条件付きプラスストロークは、マイナスストロークと同じくらいやっかいなものだと思ってください。もちろん、ストロークの法則に従えば、「無条件のプラスストローク」が得られないとき、何もないよりはましなので、条件付きのストロークを得ようとするわけです。


≪ストロークの種類≫

「条件付きのプラスストローク」
家事も育児もこなすからよい奥さん、弟の面倒をみるからよいお姉ちゃん、いつもお仕事を頑張っているからいいお父さん、手がかからないからよい息子、愚痴を言わないからよい母、いつも目標達成できるからよい社員、100点取ったらゲームを買ってあげるなど。

「条件付きマイナスストローク」
勉強をしないとおやつ無し、子どもの産めない嫁は役立たず、目標達成できない社員はやる気がない、子育てが終わらない限り自由はない、痩せていないと好かれないなど。

「無条件のプラスストローク」
どんな状態でも、ありのまま、そのままで、よい奥さん、よいお姉ちゃん、立派なお父さん、よい子、よい母、よい社員など。

「無条件のマイナスストローク」
何をどうやっても、ダメな子、役立たずな嫁、評価されない社員、生きている価値がない、自由のない親、愛されない、ダメ人間など。


条件付きプラスストロークは、たまには機能するかもしれませんが、それを常に行って、なんでも誉めてばかりいると、子どもはいい子を演じなければならなくなってしまうのです。そうやって大人になっていくと、とても生き辛くなります。自分らしさのない、いつまでも満たされない状態になって、依存・共依存症になってしまうかもしれません。

無条件で愛された子どもは、自己肯定感が育ち、自分も他人も大切にすることができるやさしい子に育つでしょう。ですから、子どもは無条件で愛し認めるということが、どれほど大切なことかを深く考えてほしいなと思います。

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