先日、テレビを見ていたら、お勉強系幼稚園の特集をやっていました。
四文字熟語のフラッシュカード、漢文の音読、絶対音感、音楽演奏など、一斉に教えられていました。
子どもの能力ってすごいな、と驚かされます。

しかし、反対から見れば、遊びの時間を削ってまで教えられているわけですよね?
幼児にキチンとしつけるために、相当な時間がかかって完成させているのだなと想像できます。

ママたちの間では、「お勉強系幼稚園」「のびのび系幼稚園」というそうですね。
一斉保育と自由保育のことでしょうが、お勉強系とのびのび系の幼稚園のどちらを選んだ方がよいかでで悩むママたちの話を聞くことがあります。

私が子育て中の頃(20年以上前)は、子育て・教育の盛んな地域に住んでいましたので、通える幼稚園はたくさんありました。その当時から「お勉強系」と「のびのび系」はありましたね。
結果、我が子4人とも違う園に通うことになりました。上の二人は駅近くの私立幼稚園に、次女だけは3歳児のみの幼児園に、長男は郊外にあった自然保育の幼稚園に、末っ子は大網に引っ越した後に入園したので公立の園に通いました。合計4ヵ所の幼稚園と幼児園を体験することができました。

4人とも「のびのび系幼稚園」でしたが、のびのび系でも園によって随分違っていました。
近所に住んでいた人の中には、宗教系幼稚園、音大付属幼稚園、文化系幼稚園、スポーツ系幼稚園に通っている人もいましたが、小学校へ上がってしまえば、だいたい2~3年生にはそう大差はなくなりました。

私の経験から言えば、「幼児期に小学校の勉強を詰め込んだところでほとんど意味がない」
ということでしょうか。
幼児期の教育は、「遊びながら学ぶ」が基本だからです。
これには根拠があります。
幼児期の保育は「養護と教育一体」ですし、子どもは育つ育てる時期があり、これを「臨界期」といいます。
子育ての”旬”にも例えられますが、この時期を外すと後で身に着けようと思っても難しいと言われます。

乳幼児期は、人間として生きていくために必要な「自己肯定感」「親子の信頼関係」「生きる力」「コミュニケーション能力」を身に着ける臨界期であり、一人ひとりの尊厳を守り、個性を認め育てる大切な時期なのですね。

要するに、「根っこを育てなければ意味がない。頭だけ育てても、頭でっかちになるばかりでバランスの良い人間には育たない」ということです。


でも、のびのび系なら何でもいいか、というとそうではありません。

のびのび系の園の場合、担任の先生で全てが変わるため、質が良いか悪いか一概には言えないのです。のびのびと称して、放任の園もあります。また、自由と称して、わがままに育つ場合もあります。
カリキュラムがない園だと、目的や目標がつかめにくく、子どもの場合でいうと、内気な子は内気なまま、我が強い子は我が強いまま育つ場合もあります。

数年前までは「伸び伸び系自由保育が一番」と言われた時代がありましたが、それは理想論での話で、実際にはのびのび系の園は先生の度量次第です。そしてその後小学校で弊害という話が多いです。
椅子に座ってられない小1プロブレムもありますが、のびのび系の子は先生(大人)の話を聞いていても理解できない、友達の広がりが少ないなど、課題や問題点もあるようです。

ですから、園としては、バランスのとれたカリキュラムと子ども一人ひとりに合った保育の内容を充実させることと、それを任せられる保育者(先生)の園内外の研修が必要だと思います。

私の理想は、(これは親としてでもありますが)
「子どもが将来にわたり、自分らしく、たくましく、幸せに暮らせるようになること」です。
高学歴でお勉強ができても、その子が将来、引きこもりになったり自立できなかったら意味がありません。
将来、子どもが幸せに生きるためには、自主自立、尊厳、愛、真が大切ですね。
少しくらいお勉強ができなくっても、不器用でも、愛着のある人の方が周りの人からも愛されるのではないでしょうか。
人間性を育てることが一番大切なのだと思います。

そして、幼児期における遊びには、「見えない学力」(やる気、根気、好奇心、探究心、理解力、応用力等)を育てる要素がたくさんあります。お勉強を教えたければ、4歳以降に入学準備をするといいと思います。
3歳までは、十分に遊び、保護者や保育者との愛着を育て、4歳になったらその経験が土台となり、その上に学校のお勉強が身に付くというものです。

私は、お勉強系(一斉保育)の園でも、その中身次第では選んでもいいと思います。
お勉強が好きな子もいますからね。
興味のあることがお勉強なら、子どもの意思でやれるように誘導することもいいことです。
そこには、遊びと同じくらい本人にとっては面白くて楽しいものでしょう。

でも、個人的には、演奏会や発表会は下手なくらいの園が丁度良いかも。
すごく上手な園(5分程度の合奏で、3拍子の曲を遜色なく出来る園はかなり上手です)というのは、教え方が上手なのではなく、自由遊びも減らしてとにかく押し込んで精神的に圧迫しながら練習をさせるからです。子どもは学習能力が高いから、練習すればするだけ確実にうまくなるものです。
要は練習をたくさんさせるために、褒める・その気にさせるだけでは効果がなくなるため、怒る・圧迫になるんですね。そういう園では子どもらしくない・イライラしているお子さんも多いと聞きます。

ですから、幼稚園(保育園)選びに迷ったら、
・園の保育方針がわが子に合っているか
・園の雰囲気がいいか、先生に意欲があるか
・園内の環境は整備されているか
・日程表や行事は適度にカリキュラムされているか
・子ども達の表情は生き生きとしているか
などを参考にするといいですね。
人の意見も大切ですが、実際に自分の目で確かめて決めるのが一番です。

幼稚園は、3年間で色々なことを学びますが最低限身に着けておかなければ同じことはどこも同じです。
小学校へ上がり、勉強するためのいろいろなことを身につけて卒園していく場です。
それと同時に、小学校では経験できないことをたくさん経験しておかなければいけない場でもあります。様々な「特典」をつけている今の幼稚園は「保護者ウケ」はいいですが、子どもにとって全部がいい場所ではありません。
負担が多く疲れてイライラ…。
そういう負荷が多すぎないで、きちんと行事など経験していく園がいい園だと思います。

もうすぐ私立幼稚園の願書配布が始まりますね。
参考になれば幸いです。

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