Aさん(主婦)のお話です。
お友達のBさんがあることで切羽詰って、Aさんに相談しにきたそうです。Aさんは自分のことのようにBさんを心配し、相談に乗ってあげました。
数日間、Aさんはそのことが頭から離れず、解決策はないものかと考えていた時のこと。共通の知り合いであるCさんから、「Bさん、何だか解決して元気になってたよ」と聞かされたそうです。
Aさんは、「あんなに心配してやったのに、なんと恩知らずな人なのか」とBさんに対して腹が立ってきたと言います。


人間って、本当に自分勝手ですね。
苦しいときの神頼みで、良くなれば何事もなかったかのように”喉元過ぎれば、熱さを忘れる”といったもんです。

その人のことを考えて、良かれと思って真剣に話をしてあげても、問題が解決すれば「そんなことあったっけ?」と悩んでいた時の気持ちなんてとっくに忘れています。ましてや人に助けてもらった恩なんて、覚えてやしません。

そもそも、相談に乗った時点で、恩を押し付けていることになります。
その時は恩を返してほしいと思っていなくても、その後に解決すれば、相談に乗ってあげた相手からの感謝の言葉や態度がなければ腹が立つわけです。感謝の気持ちや言葉があって当たり前でしょ、と見返りを期待していることになります。
本来なら、やりっぱなしでいいのです。人に感謝しなさいと期待しなくてもいいのです。

…という私も、若い頃は人に期待して裏切られ続けてきた経緯があり、「どうしていつもそうなの?」と悲観したときがありました。でも、よくよく考えたら、「自分もそうだったな…」って、気づきました。

自分が大変な時に、人から助けてもらったとは思っていませんでした。
それどころか、厳しく教えてもらい助けてもらった人に対しても逆恨みをしていました。
自分で何とかしたから、今があると。

でも、考えてみたら、あの時、自分一人の力ではどうしようもなかったはずなんです。
周りの人から助けてもらったから、今があるんだということは後になってわかりました。

そう、周りの人の恩を自覚して、感謝の気持ちを伝えられることって高度なことなんです。それが簡単にできる人って、高層のような人です。
感謝の気持ちを伝えることは、人の恩を感じられる感性と感謝の気持ちを伝えられる素直さが必要です。自己中心的なものの考え方でやってもらうのが当たり前だと思っていたり、プライドや体裁を持っていたのでは頭は下げられません。

私のよう凡人は、そこまでたどり着けていない未熟な人間なのです。

恩を恩だとは思っていないから、感謝もしません。
感謝していないから、お礼もできません。
これがわかるようになるためには、自分が恥をかかされ続けなければわかりません。

恥をかくこと。
つまり、自分が気づかない間に「あの人、お礼も言えなくて恥ずかしい人ね」と言わていることと、人前で「あなた、ちゃんとお礼をいいなさい」と人から言われることの2つあるんですね。

自分で気づかない間に恥をかいていることよりも、言葉は厳しいけれど人に恥をかかされることで自分の恥に気がつければ、その人は生涯そのことで恥をかかずに済みますよね。

という私も、たくさん恥をかいてきたんですよ。
自分の無知さが恥であり、罪だと気づかされたのです。

ですから、助けた相手から感謝されないようなことがあっても、それは私が昔、同じようなことを周りの人にしてきたことが返ってきただけのことであって、『自己完結』しているだけなんだと思っています。そう思えば、腹も立たなくなるでしょう(笑)。


でも、私の場合、会社のトップという立場ということもあり、仕事となるとそうはいきません。社員にはしっかりとした人間に育ってもらいたいと思いますから、言うべきことはちゃんと言います。社員にもどんどん恥をかいてもらいます。それが私の責任でもありますから。

公私の立場で物事の対応は違ってきますので、自分はどういう立場で考えなければならないかを見つめ直すといいですね。


子どもの話を鵜呑みにしない

立入検査 概ね合格でした!