子どもが育つ過程において、大人になろうとしている時期のことを「モラトリアム時期」と言います。この言葉から、大人になりきれていない人のことを「モラトリアム人間」とも呼ばれています。

辞書には、「年齢では大人の仲間入りをするべき時に達していながら、精神的にはまだ自己形成の途上にあり、大人社会に同化できずにいる人間」とあります。

日本では、『成人』といいますが、20歳になったからといって、‘人として成った‘とはいえない人もいるかもしれませんね。


奈良時代以降、男の子は16歳になると元服していました。
今で言う「成人式」ですね。昔の人は、現代人より精神年齢がずっと高かったのでしょうね。

身体は大人でも、精神は子ども。
精神の成熟をしていなかったら、どんな大人になるのでしょう?

・自己管理ができない
・感情のコントロールができない
・甘えの欲求が強い

などとともに、自立ができなくなるようです。

自立には、「精神的自立」「経済的自立」「生活身辺に関する自立」の3つの自立があります。大人になるための基礎的条件には、「精神的自立」が必要だといえます。


大人になりきれない原因は何でしょう?

誰もがしなければならないこと(しなければいけないこと)をしてこなかったことに原因があるようです。大人になるためのプロセスをキチンと踏んでこなかった人は、モラトリアム人間になりやすいそうです。

過保護・過干渉などで、子どもができることでも親がやってしまったり、いちいち口出しをしたりして、子ども自身が自分で考え、決めてこなかった。
外遊びや友達との関わりが少ない。
問題を解決する体験が少ない。  等…。 

大人になりきれない人の一番の課題は、いわゆる「心理的離乳」です。
親がいないと自分では何もできないと思っている場合は、親に過剰依存の状態なのかもしれません。またその親も、子どもに依存している場合(共依存)が多いようです。

心理的離乳には、段階があります。

第一次心理的離乳
・親からの離脱と依存性の払拭

第二次心理的離乳
・離乳後に育つべき自立性

これは、まさに乳児を育てる上でのプロセスそのものです。
大人になりきれない人は、心の育て直しが必要だということなのでしょうか。

モラトリアム人間にならないまでも、精神的自立が弱い人もいます。
人間が生涯、生きていくために必要なものが、「精神の安定・充実」と「自立」だと思います。その基盤は、子どもの時期に育っていてほしいものです。

親は過保護・過干渉にならないように、子どもができることは自分で考えさせてやらせましょう。それを見守るくらいがちょうどいいと思います。助けてほしいと言って来たときは、どうぞ手をかしてあげてください。

お手伝いなどの体験・経験や、異年齢の関わりを増やし、自分でできることを1つずつ増やしてあげましょう。

どうぞ、子ども達を温かく見守ってあげてくださいね。

通り過ぎる人 通う人 通じる人

ダメで元々、やってみなければわからない