1・2歳児と接していると、言葉のコミュニケーションが通じないことがよくわかります。
しかし、保護者や保育者をよく観察していると、指示命令、過保護、過干渉をしている方を時々見かけます。だからといって、子どもがいうことをきくわけではなさそうですが…。

子どもを誘導したければ、まずは信頼関係を築くことです。
特に言葉の通じない幼児には、言葉以外のコミュニケーション(メラビアンの法則:表情、態度、アイコンタクト、声のトーン、ペーシング・ミラーリングなど)が大切です。

これは大人も同じで、人と人とのコミュニケーションの基本になるものです。


今日は、『コニュニケーションのプロセス』について、ご紹介します。

人と人がわかりあうためにはコミュニケーションが必要ですが、それには信頼関係がとても重要になってきます。信頼関係を築くことが、コニュニケーションを良くする方法といっても過言ではありません。

「子どもが言うことを聞いてくれない」「部下が自分から動いてくれない」など、思うようにコミュニケーションが取れないとイライラしたり、不満に感じたりしますね。

でも、ちょっと考えてみてください。
相手を動かそうと思っていても、なかなか相手は動いてはくれません。
なぜでしょう?

それは、コミュニケーションのプロセスを踏んでいないからです。

人を動かすことは、リーディング(誘導する)と言います。
リーディングには、ラポール(信頼関係)が必要なんですね。

大人の場合、コミュニケーションの大切なステップは、よく「社交ダンス」に例えられます。初めてペアを組んだ相手とは、まずお互いの動きを観察して、ペースを合わせていきます。徐々にペースが合ってくると、相手を信頼しリードも自然と身をゆだね、優雅に心地よくダンスを踊ることができます。つまり、リーディングを行う前には「ラポール」が築かれていることが必要条件になるというわけです。

≪コミュニケーションのプロセス≫

① まず、相手をよく観察します。(キャリブレーション)
② 相手にペースを合わせます。(ペーシング)
③ お互いの間に信頼関係(ラポール)が生まれます。
④ 相手の望ましい方向へ誘導していきます。(リーディング)
⑤ 相手がより望ましいゴールへと到達します。


例えば、小学生の場合。
学校から帰ってきた息子、下を向いたままで、「ただいま」の声も元気がありません。
さては、学校でなにかあったかな?と推測できますね。(キャリブレーション)

母:「お帰り。どうした?元気ないね」
子:「○○くんとケンカした…」
母:「そうなんだ、○○くんとケンカしたんだ」
子:「うん。だって嫌なこと言ってくるんだもん」
母:「嫌なこと言われたのね。それでどんなこと言われたの?」
子:「バカって…」
母:「そう、バカって言われて悲しい思いをしたのね」
子:「うん」

この会話のポイントは、「元気がない」と「悲しい気持ち」です。
相手が悲しそうに話している時には、相手に合わせて悲しそうに聞きます。
「そのくらいのことは大したことではないでしょ」「もっとがんばれ」「明日、先生に言いなさい」など、親が子どもに答えをあげないことです。ここでは「バックトラック」(オウム返し:相手の言葉をくり返しながら返答する)をすることが大切で、否定をせずに最後まで気持ちを聞いてあげるだけでOKです。

話をして落ち着いて考えられるようになったら、次にどうすればいいかを自分で考えさせるように誘導していきます。あくまでも自分で答えを導き出すように関わり、自分で考えて行動させることが大切です。

幼児の場合は、遊びの中でミラーリング遊びを取り入れてみます。
子どもと同じような表情をしたり、同じような声をあげたり、同じしぐさをして遊びます。真似っこ遊びです。すると、子どもは安心し、面白がって近寄ってきます。
これが幼児との信頼関係を築くのに有効な方法です。


ペーシングをするのにはわけがあります。
私たちは相手や近いと感じる相手に「親近感」を覚えて、「ラポール」を築きやすくなるのです。ですから、相手に似ていると感じさせるような話し方や姿勢を合わせることで、相手は安心します。ペーシングには、「ミラーリング」(相手のしぐさや姿勢を真似してしまう方法。まるで鏡に映したかのように表現する)や「バックトラック」(オウム返し)のスキルがあります。

この段階では、ただ相手に合わせるだけでいいのですね。(ペーシング)

人は自分のことをわかってくれる、受け入れてくれたと思った時にその人を好きになり信頼します。これこそが信頼関係を築くことになるのです。理解し合った仲なら、多少困難なことがあっても乗り越えることができるでしょう。(ラポール)

会話の中で、相手を観察(キャリブレーション)しながら、「ミラーリング」や「バックトラック(オウム返し)」などを使って相手にペースを合わせていく(ペーシング)と、徐々に相手との「信頼関係」(ラポール)が築かれます。

今度は、さらによりよい状態になるように少しずつリードしていきます。(リーディング)
真のコミュニケーションとは、「相手に何らかの影響を与えて、いい変化を生みだす」と考えます。夫婦、親子、友達、恋人との会話、お客様との商談、カウンセリング、コーチング…。そのどれもが、相手のことを思って、相手がより望ましい状態になれることを望んで行うものです。

ですから、相手との間に「信頼関係」(ラポール)が築けているのであれば、今度は相手が望む方向に進めるように、ほんの少しだけ手を差し伸べて誘導していくのです。ただし、相手を意のままに操ることでは決してありません。相手に強要するのではなく、問いかけや働きかけをしていくことで、答えや望ましい変化へのヒントを相手自身が自分の内から見つめられるように、手助けをしていることが「リーディング」です。


子どもや部下が言うことを聞かないと嘆く前に、自分のコミュニケーションに欠けているものはないか、見直すことが必要かもしれません。信頼関係が築けていないと思ったら、相手に合わせていなかったということもあります。相手に合わせていないのは、相手のことをよく観察していなかったということにもなるのです。

相手をよりよい方向へ導くためには、コミュニケーションのプロセスなくしては成立しないのです。

人間関係がうまくいかない方は、自分のコミュニケーションのプロセスを見直してみましょう。


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