あるお母さんがこんなことをおっしゃっていました。
「うちの子は、食事が口に合わないと『まずい』と言います。でも、言ってもらった方が私の料理の腕も上がるのでいいことだと思います」と。
時代は変わったな…と思いました。

私の子どもの頃は、親にそんなことを言おうものなら、
「文句を言うなら、食うな」でした。

この違いは価値観の違いなのでしょう。
冒頭のお母さんは、子どもの気持ちを大切にすることと、自分の料理の腕を上げるために必要な意見だと受け取ったのだと思います。

しかし、昔の親は、料理を作った人の気持ちを大切にしようとしたのだと思います。口に合わないから「まずい」と言ったら、一生懸命に料理を作った人に失礼であると。

私の親世代(70歳代後半~80歳代)は、美味しいものがたくさん溢れている現代と違って、戦争を体験した世代です。食べ物はとても貴重で大切だった。何でも食べられれば有難かった時代です。それを「まずい」と言うこと自体が許せないことなのでしょう。

震災で大変な思いをされている方も、食べ物の有難さは身に染みて感じていることだと思います。何でも好きなものを食べられること自体が、世界でも希少なことなのです。

私はもう一つ、気をつけなければならないことがあると思います。
家の中で子どもの意見が何でも通るようにしてしまうと、社会に出た時に困るのではないかということです。
親に「まずい」と言ってもOKとしてしまっては、外でも同じことを言います。
先日、レストランで「これってまずいよね」という女子高生を見かけました。『人前でよくそんなことが言えるものだ。家庭でどんな教育をされてきたのか』と、世間の人は見るのです。

ですから、もしも、家庭で子どもが「まずい」「おいしくない」と言った時には、自分の好みに合わなかったのか、嫌いな食べ物なのかを判断してほしいと思います。
好き嫌いのある子はよく「まずい」「おいしくない」と言います。
本当に味付けがまずいのであれば、改善すればいいのだと思います。

それと、作ってくれた人の気持ちや、作物を育ててくれた農家の方の大変さなどを時折話して聞かせてやるといいですね。


人を信じること

小規模保育園に定員12名が多い訳